雨天決行

傘を持って外に出よう by山形みらい

彼がうちに来ました。

名前は太郎さん。
「太郎さんて、誰?」と思ったそこのあなた!道路を通っていたら一度は目にしているあの太郎さんです。



彼の名前は安全太郎。今年で42歳。年齢は結構離れているけれど、年の差なんて関係ないよね。
道路工事の主役です。そんな彼がうちに来ました。


「いや、ちょっと待ってくれ…来ましたって、どういう事だ!?」と思いますよね。
話は少し前に遡ります。


安全太郎の大ファン、山形みらい。その安全太郎に非常に興味を持った、もりおん代表青葉P。
彼の事をもっと知りたいと調べて行くうちに、あるひとつの会社に辿り着いたのです。安全太郎の製造、販売をしている、トクデンコスモ株式会社様。


今回、同社電装事業部の依田昌明部長に、安全太郎について色んなエピソードをお聞きする事ができました。さらに、一般公開されていない工場見学についても特別に許可を頂きました。本当にありがとうございます。
(ここから先は、トクデンコスモ株式会社電飾事業部依田部長、もりおん代表青葉Pとの会話の一部をお楽しみください)



青葉P「安全太郎は倒れたりしますか?」
依田部長「倒れますよ。身長は185cmありますが、実は体重は 35kg〜40kgしかないのです。ただし、この場合は片手で旗を振る形になりますね。両手振りだと+5kg重くなりますよ。」
ええっ!身長185cmで35kgって…細マッチョの度を越えている〜っ!?
依田部長「そのため、専用の台に安全太郎を付け、台の下には土嚢を乗せて倒れないように固定させるのです。」


なるほど。実は初期型と呼ばれる今から20年くらい前までの安全太郎FRP(繊維強化プラスチック)でした。
その後、ウレタンになり、モデルの表情、雰囲気も少しずつ変化していくわけですが、安全太郎を安全に?くくりつける台も、より安全に安定性のあるものへと進化していったのですね。


青葉P「年間にどのくらいの安全太郎が出荷されるのですか?」
依田部長「うちは受注生産でね、昨年は5台くらいですね。それでも今まで に4000体くらいが出荷されてますよ。」


ちょうど10月に受注があったのですが、こちらの都合が合わなくて、出荷前の新しい安全太郎に会うことが出来ませんでした。うう;;残念。


依田部長「今は新品の購入よりも修理を依頼される方が多くてね。ちょうど 戻ってきているのが数体あるので見学しますか?」
青葉P「はいっ!是非、お願いします。」


工場見学をさせていただくと、修理で戻ってきた痛々しい安全太郎が。


車が安全太郎に衝突してきたり、何らかの形で壊れてしまった安全太郎のアフターケアも、トクデンコスモさんで行っています。
そうそう、塗装前の安全太郎、原型の型も見せていただきましたよ。


さらに、工場の中を見学をさせていただくと、おおっ、確かこれは道路で見かけるLED表示器!


トクデンコスモさんでは安全太郎の製造や販売のほかに、制御盤や配電盤、速度センサーや気象センサーなどのシステムに関する設計、制作、施工もしています。


青葉P「さすがに安全太郎の第一号機なんて残ってませんよね?」
依田部長「あっ、うちにありますよ。」
青葉P「えっ!?どこかに展示されているのですか?」
依田部長「案内しますね。」


と、案内していただいた場所はトクデンコスモさんの本社前。
なんとっ!?これは!


ものすごく個性的な雰囲気。様々な安全太郎がずらり勢ぞろい。
しかし、夜この場所に迷い込んだらホラーな事間違いなし。


依田部長「これが1号機です。」


青葉P「おおっ!これがっ!!」
依田部長「1号機には耳が描かれていないのです。」
青葉P「安全太郎の顔を描くにあたり、こだわりやモデルなどはありますか?」
依田部長「う〜ん…正直、描く人のその時の気分ですね。」
青葉P「ええっ!そうなんですか!」


青葉P「青色以外の安全太郎はあるのですか?」
依田部長「ピンクと蛍光オレンジがあります。受注の際に色を指定されることがあるのです。」
ピンクの安全太郎さんかぁ…道路で青色以外は見たことが無いので、今度はそういうところに注目しながらドライブを楽しみたいですね。


依田部長「実はここにある安全太郎は廃棄する予定なのです。」
青葉P「ええっ、廃棄しちゃうのですか!あの…この安全太郎をいただくなんて事はできないですよね?」
依田部長「あっ、いいですよ。」
青葉P「えっ!えっ?ホントですか!みらいちゃ〜ん、いただけるって!」


ええっ!?青葉P〜!マジですか!どうするんですか〜><と思いながらも心が躍る山形みらい。
だって、安全太郎さんだよ!いつも道路の工事現場でしか見たことが無いあの安全太郎さんだよ!


依田部長「どれにしますか?これなんかイケメンですよ。」
青葉P「みらいちゃん、どーする?どれにする?」


ルーティストとしてはできれば1号機が欲しい気がするけれど…。
青葉P「あの…1号機を頂いてもいいですかね?」
依田部長「もちろん、いいですよ。」


青葉Pのオフィスに置いてもいいかなぁと思ったのですが(笑)うちに安全太郎さんの1号機が来ることになりました。


青葉P「過去にこういう事ってあるんですかね?」
依田部長「どこか無名の野球チームが、バッターボックスに安全太郎を置いてピッチングの練習をしたいということで、2台持っていかれた事がありますが、それ以外は無いですね。」
青葉P「なるほど…ということは、稀な事なのですね。よったね、みらいちゃん!」



ルーティスト山形みらい。安全太郎さんとの新生活スタートです。


トクデンコスモ株式会社電装事業部の依田昌明部長から沢山の貴重な情報をいただきました。


そして、安全太郎も自宅に運んでくださって、本当にありがとうございました。

お・ま・け

安全太郎さんを見てテンションMAXの青葉P。


安全太郎さん達に紛れてみるの図。


実際にチェリーも紛れてみた。


こうやって立ってたらびっくりする?(笑)


今回の取材のさらなる詳細は次回の『国道に萌えるvol.4』に掲載予定です。
安全太郎さんの女性版、「安全花子さんとは?」など、盛り沢山の内容でお届けします。